おもしろき こともなき世を おもしろく『くーねるまるた』1巻
- 作者: 高尾じんぐ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/01/30
- メディア: コミック
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スピリッツで見かけて一目惚れした『くーねるまるた』の1巻が出たので感想を。
毎週の癒しとしてスピリッツ本誌でも読んでます。
基本的に1話6ページの短編で構成されています。
マルタさんはポルトガルから来たビンボーで食いしんぼーな女の子。
築70年のおんぼろアパートで、
慎ましいながらもエンゲル係数高めの一人暮らしを満喫中。
紅茶チャーシュー、鶏油焼き飯、パン耳タルト...等々
お金はなくても丁寧に。そんなマルタさんの日々。
ポルトガルからやってきたマルタさんが毎日を気ままに過ごすお話。
基本的にタイトル通り食ったり寝たりしてるだけです^^;
ただの缶詰なんかを一工夫しておいしく食べたり、
お風呂に浸かった後の一杯のビールが何よりも待ち遠しかったり。
そんななんでもない毎日をちょっとした知識と工夫で面白おかしく、より幸せに。
なぜかおばあちゃんの知恵袋的な知識が豊富なマルタさん。
今日は100円で買ってきた鳥の皮を使って鶏油(チーユ)を作り、その鶏油でチャーハンを作ることに。
・・・旨そう。
私も思わずチャーハンを作りたくなるような食べっぷり。
読んでてお腹が減る漫画です。
食べてる時の幸せそうな顔もマルタさんの可愛いところですよね。
この顔を見るためにこのマンガを読んでいるといっても過言ではないくらい。
また、ところどころで文学作品ネタを扱っているのもこの作品の特徴。
ある日買い物から帰ってくると部屋の前に帽子が。
その中にはお隣さんから、おすそわけの夏みかんが入っていました。
これは『白いぼうし』ですね。
田舎の母親が送ってくれた夏みかんを積んで走っていたタクシーの運転手さんが、道路脇で白い帽子を見つけた。
その帽子を拾い上げるとその下からモンシロチョウが逃げていった。
そこでモンシロチョウを捕まえた子供ががっかりしないように、モンシロチョウの代わりに夏みかんを入れておくことに。
夏みかんを帽子の下に入れて戻ってきた運転手さんのタクシーには小さな女の子が乗っていた。
女の子を乗せてタクシーを走らせていると、ふと女の子がいないことに気づく。
女の子が消えた場所の周りには沢山のモンシロチョウが。
といったお話でした。
国語の教科書にも載っている作品なので、覚えている方もいらっしゃるかと。
モンシロチョウを逃がすという失敗をしてしまったものの、1個の夏みかんのおかげでみんなが幸せになるというお話ですね。
マルタさんもこれに倣ってお隣さんからおすそわけとしてもらった夏みかんでマーマレードを作り、
そのマーマレードをまたお隣さんにおすそわけすることにしました。
??「ずーっとずーっと繰り返して ほら しあわせスパイラルー」
なんてことを何処かの誰かが言っていましたが、まさしくその幸せスパイラル理論がぴったり。
お腹いっぱいになって幸せそうなマルタさんを眺めてこっちも幸せになれる、そんなマンガでした。
イチオシ!